2009年10月01日

非常に異様でわかりやすい鞆の浦架橋問題

鞆の浦架橋問題で画期的な判決が出た。景観利益に基づいて公共事業を差し止めるものだ。今までにない種類の判決なので色々調べてみると、非常に異様な裁判なのがわかってきた。
鞆の浦の観光地図を見るとどこに橋を作るのかよくわかる。常夜燈の西側の海岸を埋め立てて、バス停鞆港あたりにつなぐようだ。工事賛成派は狭い道路事情の改善と産業振興を図ると言い、多数の住民が支持しているようだ。一方で反対派はこの地域の文化的価値と景観が損なわれることを問題視している。またこの地域は高齢化と過疎化が激しいようだ。
表面的に見ると景観対産業振興という問題のようだが、よく考えていくと賛成派の主張には明らかにおかしい点がいくつもある。まず狭い道路事情の改善と言っているが、作るのは海岸のバイパス道路なので街中の道路は変わらない。また普通に考えれば山側にバイパスを作るのが自然だが、何度も提案されたその提案は無視されたらしい。さらに道路を作るだけなら埋め立てる必要はない。その上この地域には漁業と観光ぐらいしか産業がないにもかかわらず、景観を破壊する工事を産業振興と言っている。
そう考えると工事推進派の言う「産業振興」とは何かという問題になる。この異様な「産業振興」の答えは簡単で、しかもまだ日本中に存在している。それは公共工事だ。話は異様だがとてもわかりやすい。公共事業そのものが「産業」であり、それがしたいので観光資源をつぶしてでも予算の取れる埋め立てをやって税金を使いたいのだ。今も日本ではごく普通の話だが、こんな事を続けていたら日本は破滅してしまう。
産業振興のための公共事業は必要だろう。だがそれは公共事業の結果として産業が振興されるものでなければならない。こんな当たり前の話が日本では通用しない。今回のように公共事業の結果として明らかに観光産業が「抑圧」される例はその典型だろう。明らかに不要な道路や空港が未だに作り続けられている。公共事業のための公共事業こそが現在の日本を苦境に陥れた最大の要因であり、それを止めない限りこの国に未来などない。
posted by 探求者atom at 17:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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