2009年02月23日

EUから始まる新時代への胎動

EUがついに現在の経済的苦境を根本的に修正するための方策を探り始めた。それは世界不況を直すというレベルの話ではなく、今までのグローバル経済を根本から見直すものだ。残念ながらBBCのニュースでは詳細が伝えられているが、日本語のニュースではまだこのレベルの内容しかない。このニュースの重要性がよく理解されていないのだろう。
状況そのものは金融サミットの準備会合での一致という重要性の低い話なのだが、内容は極めて重要な要素を含んでいる。最も重要なのは「資本主義には新しい道徳的基礎が必要だ」という言葉だろう。これは今までのグローバル経済がヘッジファンドなどの暴走により世界中でバブルと崩壊を繰り返してきた経緯に対する明確な決別である。実際にモラルの低下は至る所で見られ、アメリカで明らかになった巨額詐欺、日本で未だに続く金持ち万能論、世界中で起きている医療の質の低下、派遣社員に対する非常な切捨てなど挙げていけばきりがない。これを修正しない限り新しい時代は見えてこない。
もう一つの重要は要素はこれが包括的なものであるという事だ。合意内容は「ヘッジファンドの規制強化」ではなく、「世界中のすべての金融機関への健全な基礎に基づく管理と規制」だ。今回の世界不況がアメリカの不動産ローンから始まりアメリカのすべての金融機関を経て世界に広まった経緯を考えれば、単にヘッジファンドだけ規制しても意味がない事は明白だ。
「新しい道徳的基礎による世界規模の包括的管理」という内容からは、EU首脳が完全に根本的な問題解決を求めている事がわかる。そしてそれこそが新しい時代を切り開く力を持つのだ。当然ながらその道程ははるか遠いものになる。具体的には4月の金融サミットで世界的経済管理機構の構築(あるいは現行機構の機能強化)を求めていく事になるが、EUの中でもイギリスなどは管理強化に慎重で足並みがそろっていない。もし管理機構ができても最初はまともに機能しないだろう。しかし現在の野放図なグローバル経済を正しく導くにはこの方法しかない。アメリカは自国の建て直しに手一杯で、日本は政治混乱でそれどころではなく、新興国にもそんな力はない。EUだけがこの苦境を完全に克服する力を持つのだ。そして管理機構が機能し始めた時、私たちは「正しく管理されたグローバル経済」というまったく新しいものを目にする事になるだろう。
この流れからは目を離してはならない。経済に関しては国境というものが意味を成さなくなるような時代が少しずつ近づいているのだ。これはまだ遠い未来の話だが、やがて日本の多すぎる政府の借金や、強すぎる移民の制限なども世界から非難を浴び、それを無視すれば強制的に修正させられるような時代が来るだろう。
posted by 探求者atom at 01:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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