2009年12月02日

日本の財政破綻は近い

日本の財政破綻について真剣に検討しているサイトは少ない。日本国財政破綻Safety Netによると、どうやら破綻はもう遠い未来ではないようだ。慶応の櫻川昌哉教授の試算によれば、破綻確率は94.58%だそうだ。財政状況の経過は牛さん熊さんブログが詳しい。事業仕分けなどで予算を削ろうとしているが、元々民主党の公約などのために予算案が過去最大なのだから焼け石に水だ。おまけに大規模な2次補正予算を組もうとしているらしい。これだけ破滅的な財政状況で予算を増やそうとする神経がわからない。
小泉元首相は現在ひどく人気がないが、少なくとも財政破綻を回避しようとする努力はしていた。それ以降も自民党はある程度財政悪化を食い止めていたが、民主党と世界不況のため再び財政は悪化に向かっている。このまま行けば日本政府と地方自治体の財政は確実に破綻する。
日本が財政破綻したらどうなるだろうか?これは正直よくわからない。何しろ規模といい状況といい前代未聞だ。アルゼンチンが2001年に破綻した際のGDP債務比は60%だったそうだが、日本はもう200%近い。これで何故破綻しないかと言うと債務者の大半が日本国民だからだ。つまり家庭の会計は火の車だが、借金の相手は家族なのだ。これではそう簡単に破綻しない。破綻するのは家族が借金を負えなくなった時、つまり国債が売れなくなった時だ。財政破綻Safety Netでは、郵政の半国営化も国債を買うためではないかと予測している。だがどちらにしてもこのまま行けば国債は売れなくなる。そうなった時に何が起こるか。
アルゼンチンや韓国の場合はIMFが介入したが、日本の場合どうなるかわからない。海外の債務者が少ないので国際的な介入は小さいかもしれない。そうなると近いのは夕張の破綻になるだろう。夕張の場合は税金の増額、公務員の縮小と給料減額、公共施設の売却などが地方自治体財政健全化法に基づいて行われている。これと同等の国家財政健全化法のようなものができるかもしれない。国債の債務が何らかの形で減額される可能性もある。予算の多くが社会保障なので年金や健康保険の将来も不透明だ。また世界経済からしても日本が破滅的状況になるのはまずいので何らかの支援が行われるだろう。世界から見て日本は「大きすぎて潰せない」のだ。ただ債務の量が途方もなく大きいので予測がつかない。
いずれにしてもろくな事にならないのは確かだ。経済が厳しいから財政出動などと簡単に言うのは間違っている。大半の国債を保有しているのは金融機関なので、端的に言えば財政出動すると貯金が目減りするのだ。結局のところ紙幣は無限に刷れるものではない。財政出動は自分の身を削ると言う事を自覚した方がいい。そして、もしかしたらあと10年以内かもしれない破綻に対して心の準備をしておこう。少なくとも国家が破綻しても世界が滅びる訳じゃない。
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2009年11月23日

JAL年金問題に見る一部高齢世代の認識の甘さ

JALの年金減額に対してOBが強い抗議の姿勢を保っているのを見ると、高齢世代の一部には危機感が足りないのではないかと疑問になる。基本的にJALは倒産寸前の状態であり、倒産すれば年金の保証などない。それを防ぐには年金減額も仕方のない話で、抵抗しても企業再生が遅くなるだけだ。実際にGMなどは優良資産のみを新会社に移して再生させてしまった。JALで同じ事が起これば年金の法的保障は何もなくなる。今のJAL再生の流れは明らかにその方向を向いている。
大敗して再生の目処がつかない自民党も明らかに高齢世代が多く、未だに偉そうな森元総理などはその典型だ。選挙に勝った民主党が強い危機感を表明してたのに、負けた自民党の長老はまともに反省する事もなかった。日本の国家財政や経済活動も非常に危機的な状況下にあり、中年以下の人々はそれをひしひしと感じていると思う。だが今までの繁栄を忘れられず、今もある程度豊かな地位にある人々にはそれがわからないのだろうか。
日本の資産の多くを高齢者が持っていると言うのはよく聞く話だ。今の危機的な状況を救うためにはそれを将来のために使う必要がある。日本の経済がさらに悪化して破綻に近づく可能性は十分にある。その状態で自分達だけ金を持っていてもどれだけ意味があるのか。平均寿命が延びて高齢者でもすぐに死ぬ事はなくなったのだから、彼らもこの国の未来について真剣に考える必要があると思う。
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2009年11月11日

研究開発ベンチャーの必要性

今週の日経ビジネスに面白い記事が2つあった。1つは日本の研究開発費が多いのに生産性の向上に繋がっていないと言う記事、もう1つは日本のベンチャーが質量共に弱いという記事だ。この2つは別の記事だが、組み合わせるとある1つの問題が浮かび上がる。それは本来研究開発を担うべきベンチャーが日本では機能していないと言う事だ。日本のベンチャーには研究開発のイメージが少ないが、それは世界的に見れば異常な事だ。
Googleを例に挙げてみよう。Googleマップも、Googleドキュメントも、Google Analyticsも、元々は全部別のベンチャー企業が開発したものだ。こういう事は欧米IT企業の動向を知っていれば当然の事だ。少し前にSOAがブームになった際、欧米の大企業が一斉にSOA製品をそろえていったが、これもほとんどはベンチャー企業を買収してそろえた物だ。欧米では先端的な研究開発をベンチャーが担い、それを大企業が買収すると言う事が日常的に行われている。
そもそも大企業は収益を上げると言う絶対的な要件があり、成否不明の研究開発を多く行う事はできない。一方で欧米の研究開発ベンチャーは大学と密接に関係しており、様々な研究開発が行われているが予算は少ない。そのために有望な研究開発を行っているベンチャーを丸ごと大企業が買う事により、研究開発費を効率的に研究者に流すという文化が成立している。
一方で日本の研究開発自体は以前よりかなり進んでおり、ノーベル賞が出るのも普通のことになってきた。しかし企業の研究開発能力はむしろ落ちている感がある。二股ソケットにしてもウォークマンにしてもノートパソコンにしても広い意味では研究開発といえる。しかし現在家電分野で先端的なのはアメリカのiPhoneや台湾などのネットブックであり、日本はそれに追従しているだけだ。研究開発費自体も明らかに減っているし、薄型テレビでもサムソンに研究開発で負けているらしい。こんな状態では経済が上向く訳がない。偏狭なものづくり神話、企業の閉鎖的な性質、従業員の意識の保守化などで明らかにイノベーションへ向かう能力が落ちているのだ。
しかし研究開発自体はかなり行われており、研究者も余っている状態だ。研究者の職がないような国はおそらく世界でも珍しいだろう。この力を研究開発ベンチャーに向かわせて、その中で有望なものを大企業が買収するようになれば、企業の研究開発能力は飛躍的に向上するだろう。ただしこれは文化的な問題であり、大学/企業/公的機関などが一体となって行わないと容易に実現しないだろう。
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2009年10月24日

よくわからないクラウドの実体

最近はNHKやニューズウィークでもクラウドを取り上げるようになったが、正直よくわからない人は多いと思う。それは当然だ。ITが専門の私でもよくわからないのだから。
クラウドとは基本的にネットと同じものだ。以前から広域ネットワークを示す際に「雲」の絵を使う事が多いのだが、それをそのまま名前にしただけだ。ただ以前のネットとは違い、技術の進歩により非常に多くの事がネットでできるようになった。それに対して売り手側が新しい印象をつけるために「クラウド」という名前を付けたのだ。だから感覚的にはWeb2.0と同じような印象のある言葉だ。
基本的にネットと同じものなので、その特徴もネットに準ずる。価格と利便性で優位だが、信頼度と自由度で不利だ。新規事業には適しているが、中核事業にはあまり適していない。
昔のネットバブルの時にできる事の大半はWeb上にあった。しかし長い技術の進歩によりネット上でできる事がWeb以外に大きく広がっていった。クラウドという名前は新しいが技術自体は長い期間をかけて構築されてきたものだ。ただあまりにできる事が多すぎてクラウドと言うだけでは専門家でも何の事かよくわからない。そこでクラウドをアプリケーション−中核の順に分類して、SaaS(ソフトウエア)、PaaS(プラットフォーム)、HaaS/IaaS(ハードウエア/インフラ)と3種類に分けるようになってきた。クラウドを使用する際はこの分類で考えた方がいい。
さてクラウドはメディアの言うようにバラ色の未来をもたらすのだろうか?今の感じで進むと、少なくともネットバブルのような熱狂は起こらないと思う。それはクラウドが曖昧で機能の範囲が広すぎるからだ。ネットバブルの際はYahooとかAmazonとか対象がわかりやすかったが、クラウドは何に熱狂していいのかよくわからない。その代わりクラウドは静かに進んでいくだろう。既にtwitterなどの新興ベンチャーの多くがAmazonのクラウド(HaaS)を使っている。利用者の背後でこのようなクラウド化が少しずつ進んでいくのだろうと思う。まさに「雲」のように。
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2009年10月16日

それほど悪くない民主党の経済政策

始まって1ヶ月、不安が先行した民主党の経済政策だが、思ったほどは悪くないようだ。もちろんそれは最初から期待していないためであり、優れているという事ではない。米Yahooフィナンスを見ると日本の株価の上がり方だけがここ1ヶ月露骨に鈍く、明らかに民主党政権の悪影響を感じる。ただ将来的に見ると明るい部分もある。
1つ目はJALの根本的再建に取り掛かっている事だ。これは昔からの問題であり、現状を見てもソフトランディングは無理だ。ハードランディングによる衝撃は大きいが、解決すれば色々と先が見えてくる。2つ目は補正予算の金額を抑えた事だ。あらゆる予算を徹底して切り詰めたため非難も大きいが、将来的に公的な借金を減らすにはこれをやるしかない。この先より大きな予算削減をする場合のプロトタイプになるだろう。これらは主に前原国交相の手腕によるものであり、彼はよく働いていると思う。
もちろん悪い面も多々ある。根本的な問題は経済発展の将来像がない事だ。教育費と子供支援は将来的にある程度効果があると思うが、すぐに効果を出すには国際競争力の強化や研究開発の促進をやらないと無理だ。また移民の許容も進めたほうがいい。能力のある中国やインドのエンジニアはみなアメリカに流れており、その流れを日本に持って来ないと研究開発自体が進まなくなりつつある。エコの理想は素晴らしいがそれだけでは豊かにならない。また国の財政規律も重要だ。概算要求が過去最大規模になるようでは話にならない。おそらくこれも切り詰められるとは思うが、あれだけ威勢のよかった長妻厚労相が官僚の言い分を丸呑みしているようでは先が思いやられる。
でもこれを批判する前に少し待って欲しい。民主党は自民党がつくった補正予算を削っており、経済発展も自民党政権で実現されていない。つまり今の段階で経済政策の優劣は自民党と大差ないという事になる。そう考えると公務員改革をやっている分だけ民主党のほうがマシだ。
だから自民党には経済的な解決策を示して欲しい。赤字国債だとか大きな政府だとか成長戦略がないとか批判するのは馬鹿げている。何故ならそれらはずっと自民党がやってきた事だからだ。今までずっと国債の借金漬けで無駄な公共工事を続けてきた自民党の事を「小さな政府」志向と言うのは意味がわからない。建設的な提案ができなければ、それこそ民主党が破滅的な経済政策でもしない限り自民党に政権は回って来ないだろう。
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2009年10月01日

非常に異様でわかりやすい鞆の浦架橋問題

鞆の浦架橋問題で画期的な判決が出た。景観利益に基づいて公共事業を差し止めるものだ。今までにない種類の判決なので色々調べてみると、非常に異様な裁判なのがわかってきた。
鞆の浦の観光地図を見るとどこに橋を作るのかよくわかる。常夜燈の西側の海岸を埋め立てて、バス停鞆港あたりにつなぐようだ。工事賛成派は狭い道路事情の改善と産業振興を図ると言い、多数の住民が支持しているようだ。一方で反対派はこの地域の文化的価値と景観が損なわれることを問題視している。またこの地域は高齢化と過疎化が激しいようだ。
表面的に見ると景観対産業振興という問題のようだが、よく考えていくと賛成派の主張には明らかにおかしい点がいくつもある。まず狭い道路事情の改善と言っているが、作るのは海岸のバイパス道路なので街中の道路は変わらない。また普通に考えれば山側にバイパスを作るのが自然だが、何度も提案されたその提案は無視されたらしい。さらに道路を作るだけなら埋め立てる必要はない。その上この地域には漁業と観光ぐらいしか産業がないにもかかわらず、景観を破壊する工事を産業振興と言っている。
そう考えると工事推進派の言う「産業振興」とは何かという問題になる。この異様な「産業振興」の答えは簡単で、しかもまだ日本中に存在している。それは公共工事だ。話は異様だがとてもわかりやすい。公共事業そのものが「産業」であり、それがしたいので観光資源をつぶしてでも予算の取れる埋め立てをやって税金を使いたいのだ。今も日本ではごく普通の話だが、こんな事を続けていたら日本は破滅してしまう。
産業振興のための公共事業は必要だろう。だがそれは公共事業の結果として産業が振興されるものでなければならない。こんな当たり前の話が日本では通用しない。今回のように公共事業の結果として明らかに観光産業が「抑圧」される例はその典型だろう。明らかに不要な道路や空港が未だに作り続けられている。公共事業のための公共事業こそが現在の日本を苦境に陥れた最大の要因であり、それを止めない限りこの国に未来などない。
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2009年09月22日

自民党再生の兆しは見えない

自民党の総裁選を見ると、相変わらずというか、まだ何も改善されていないのがよくわかる。最大の問題は保守派と改革派の路線対立だ。みんなの党と連携を求める河野が改革派で、残りの2人が保守派だ。また政策論争をせずに個人攻撃をしている。河野は世代交代を求めているが実際は保守派長老の排除で、小泉元首相が言っていた「抵抗勢力」から何も進歩していない。権力(と言っても野党の権力だが)を求める保守派は西村を出馬させて論戦を曖昧にさせている。
そして相変わらずメディアは保守派と改革派の対立に触れない。何故触れないのか理解できないが、メディアが言うのは世代交代とか派閥問題とかだ。自民党の派閥内部が保守派と改革派に分かれて機能していない事を何故書かないのか。結局誰も保守派と改革派の「政策の差」という根本問題に触れないため、訳のわからない泥仕合に終始してどんどん人気がなくなっていく。
自民党の崩壊が止まらない中で、かすかな光になっているのはみんなの党だ。その違いはHPを見ればはっきりわかる。みんなの党はいきなり政策があり、掘り下げればいくらでも出てくる。対して自民党の総裁選情報をいくら読んでもまともな政策論争は出てこない。当然保守派や改革派という話もない。これでは選挙で勝てるわけがない。だから自民党は大敗して、みんなの党は右派政党で唯一議席を伸ばしたのだ。
みんなの党がこの先重要な役目を担うのかどうかはわからない。ただ、その政策を前面に出す方向性が重要になるのは間違いない。自民党の崩壊を止められるのはその政策論争だけなのだ。それができなければ昔の社会党のようにやがて自民党は消え去り、みんなの党や他の新しい党がその地位を埋める事になるだろう。
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2009年09月18日

サッカー日本代表はフィジカルを強化すべき

サッカー日本代表監督で一番成果を挙げたのはトルシエだ。彼の戦術は正直言って大したものではなかったが、他の監督と比べて決定的に優れているところがあった。それはフィジカルだ。彼は現役時代からゴリ押し型のディフェンダーで、日本代表監督になっても最初から強い守備を要求した。そして母国フランス代表との親善試合でボロ負けすると、戸田という超ゴリ押しボランチを呼んできた。これがはまった。2002日韓W杯の好成績は、半分がホームアドバンテージ、もう半分がフィジカル強化の成果と言ってもいい。プロゴルファーの青木功や巨人の原監督などが言っている通り、スポーツの基本は「体技心」なのだ。
さて、翻って今回の欧州遠征だ。オランダ、ガーナとやって1勝1敗というのは悪くない。もちろんW杯ベスト4には程遠いが、そんなもの最初から無理に決まっている。基本的にはW杯で1勝を目指すチームなので、そこそこの結果といえる。しかし決定的な問題がある。対戦相手のコンディションが相当悪かったのに、明らかにフィジカルで負けていた事だ。フィジカルは昔から弱いので当然の結果なのだが、このままだとW杯で勝つのは無理だ。でもフィジカルなら短期間で上げることも不可能ではない。2002日韓W杯の韓国代表監督であるヒディングがやったのは正にそれだ。
もちろん選手を入れ替える手もある。フィジカルが強い選手は誰だろか?攻撃だとFC東京の平山や石川あたりが目に付くが、重要なのは守備だ。実は最適の選手がいる。闘莉王だ。岩政あたりをDFにして、闘莉王と長谷部(稲本)をボランチにして、遠藤を中央において3ボランチ的にする。これならフィジカルも守備力も決定力も上がる。一石三鳥だ。
だが最大の問題は、頭脳派の岡田監督がゴリ押し守備をやるかどうかだ。今までの戦歴から見てやらないと勝てないのは間違いないが、岡田監督に似合わないのも間違いない。トルシエ監督はフランスに負けてフィジカル不足を痛感したが、岡田監督は同じ事を感じただろうか?可能性としては感じてないほうが高そうだ。
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2009年09月13日

真弓阪神の改革は道半ば

ヤクルトの失速もあり阪神がようやく3位に戻った。ここまで来ると監督解任の話も出なくなると思うが、今年の真弓監督による大改革はまだ道半ばだ。
去年末の時点で阪神には根本的な問題が3つもあった。1つ目は先発投手陣の弱体化、2つ目は長打力不足、3つ目は選手の高齢化だ。このうち先発投手陣についてはほぼ目処が立った。能見、岩田、久保の成長で序盤で崩れる事は少なくなり、救援陣の負担も減った。長打力についてはブラゼルの加入などで多少よくなったが、それでも本塁打数は12球団で最下位だ。おまけに打率が下がっているのであまりいい状態ではない。
最大の問題は高齢化だ。未だに野手の主力は30台〜40台で、あまり真弓監督も選手の若返りに積極的ではない。明らかに調子の上がらない福原や高橋光を使い続ける一方で、バルディリスなどは去年より一軍試合数が大きく減ってしまった。ただ野手の若手選手層が薄いのも事実で、今回一軍入りしたルーキーの野原祐とバルディリスを除くと、上げられそうなのはやはりルーキーの柴田くらいしかいない。
こうしてみると改革の道のりはまだ遥か遠く、今の戦力では優勝などとても無理だ。予算的には12球団で最高レベルのチームだが、リーグ優勝は2005年以降なく、日本一は1985年だけだ。かける金額と強さは明らかに見合っていない。今年のオフはベテラン勢の年棒に大鉈が振るわれる事になると思うが、その金を若手の強化に回さないと結局Aクラスまでのチームになってしまうだろう。若手の強化に成功した巨人が独走しているので、阪神が強くならないとプロ野球全体が面白くならない。
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2009年09月11日

偉大なる失敗作、スペースシャトルの最後

スペースシャトルの退役が来年に迫り、一方で代替機オリオンの開発は進んでおらず、NASAの有人宇宙船に数年の空白ができる事が決定的になった。美しく巨大な機体と先端的な再利用機構で知られ、宇宙開発の代表でもあるスペースシャトルだが、計画全体を見れば完全な失敗と言っていい。
そもそも最初の計画から大きな問題を抱えていた。有人と貨物を兼用した再利用機というあまりに先端的な計画そのものに無理があったのだ。実際に有人宇宙船で貨物を兼用している物は他にない。にもかかわらず輸送費費用が大幅に下がるという無茶な予想を出し、結果的に普通のロケットよりも輸送費用は遥かに高くなった。当初の計画では2段式のシャトルですべてを再利用するはずだったが、製造コストがあまりに高すぎるために外部燃料タンクは使い捨てになり、輸送費用を大きく押し上げる要因になった。
そして何よりも大きな問題なのは2度の死亡事故だ。犠牲者は実に14人にも及び、他の有人宇宙船による死者を遥かに凌駕している。ソユーズでの犠牲者は4人であり、最後の死亡事故は1971年の事だ。有人宇宙船としての信頼度は極めて低いと言わざるを得ない。
もしスペースシャトルがなかったら宇宙開発はどうなっていただろうか?おそらくその開発と維持にかかるコストを他に振り分ける事により、宇宙ステーションや衛星探査などは今より遥かに進んでいただろう。スペースシャトルでなければできなかった事というのはおそらくほとんどない。その一方で巨大な再利用機という偉大な宇宙船が存在する事は永遠になかっただろう。
宇宙開発は今も昔も人間の能力の限界が要求され、限界を超えた夢のような話はすぐに破滅へと追いやられる。スペースシャトルはその典型と言っていい。国際宇宙ステーションまでの高さ400kmは、人間にとっては途方もなく遠い距離なのだ。スペースシャトルの失敗はその厳しさを人間に教えてくれる。
posted by 探求者atom at 21:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 科学技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする